提携校担当者・本校担当者コメント

提携校担当者・コメント

テキサス州オースティン、セントスティーブンス校よりご挨拶

テキサス州オースティンにあるセントスティーブンス聖公会学校は、大阪の桃山学院高等学校と長い歴史を持っています。1970年代に、2校の西川氏とタウナー氏が両校の学生が視野を広げるために、1年間の交換留学制度を起案し、実行に移しました。この交換留学は約40年間に渡り続いております。毎年1人の学生だけが直接的に留学を経験することができますが、寮、授業、スポーツ、クラブ、またその他の活動において多くの生徒たちが影響を受けています。このように、数え切れないほどの方法でこのプログラムは波及していっています。

セントスティーブンスは共学校です。寮生活をする学生と自宅から通う学生がいます。 キリスト教の教えに根付き、全ての信仰を含む多様なコミュニティーです。学生たちが知的に、創造的に、人道的に社会に貢献し、生きていくように薦めています。厳格に学業面において教育するだけでなく、身体的発育を促進し、芸術分野に存分に触れることができるようにしています。我々教職員は世界中の様々な国の様々な背景を持つ学生たちとともに過ごせることを嬉しく思っています。

グローバル教育は我々の主たる目的です。650名の学生のうち90名を越え学生がインターナショナルの学生です。彼らを含む170名の学生が寮で生活しています。寮に住む学生たちは、きりがないほど多くの方法で彼らの価値観をもたらし、我々の多様性をさらに豊かなものとしています。

メーソン・コックス氏とサラ・トッド氏の2人がこの交換留学のコーディネーターとして働いています。コックス氏は数十年に渡り、校内で寮生たちと共に生活し、歴史の教員として活躍されています。全ての学生たち、特にインターナショナルの学生たちの手助けをすることに非常に熱心です。長きに亘り、日本からの学生のアドバイザーとして関わってきました。サラ・トッド氏はアメリカ外交官の家庭で育ち、10代のころ初めて日本を訪れた経験があります。歴史の教員でもあり、本校のインターナショナルプログラムのディレクターでもあります。コックス氏とトッド氏は、様々な人々と協力し、このプログラムを支えています。

私たちは桃山学院高校との関係を非常に価値あるものとし、21世紀においてもこの関係が長きに亘って続いていくことを切に願います。

メイソン・コックス、サラ・トッドより

来日時、食事会にて 来日留学生たちと

本校担当者コメント

国際教育委員長 稲田 和宏より

1972年に創設された本プログラムも、まもなく50周年を迎えようとしております。
母校を代表するという立場で異国の地に赴き、1年という期間で異文化体験をすることは自身の視野を大きく広げ、その後の人生に大きな影響を及ぼす一助となることは間違いありません。これまでこの留学を経た多くの卒業生が1年間に得たものをきっかけに、世界の幅広い分野で活躍しています。少しでも興味のある人は、是非近くの先生方に相談してみてください。
なお、このプログラムが50年という長きにわたり継続してこられたのは、創設に貢献してこられた西川先生、タウナー先生をはじめ関わってこられた多くの先生方と同様、これまで来日した留学生たちを快く受け入れていただいたホストファミリーの皆様のおかげです。この場を借りてお礼を申し上げます。

来日留学生日本語担当教員 三木 由里子より

桃山学院高等学校でEP留学生の日本語の授業を担当している三木由里子と申します。桃高では1999年より日本語を教えていますが、他にも桃山学院大学でさまざまな国からの交換留学生に、兵庫県の外郭団体である兵庫県国際交流協会が開講している日本語クラスで県在住の、これもさまざまな国の人に日本語を教えています。

桃高での日本語の授業は週7時間あります。内容は文法と漢字が中心で、文法は留学生の日本語レベルに応じて、初級なら日常会話に必要な基礎的な文法を習得することを、中級なら文章の読解とそこに出てくる文法の運用を目的とした授業を行います。漢字は外国人用の漢字教材を用いて読み、書きとも勉強します。約1年の間に、日本語ゼロのレベルから始める場合は中級の前半ぐらいまで、初級後半から始める場合は中級の後半ぐらいまで、漢字は個人差がありますが、来日時ゼロの生徒で300字から500字を学習します。

毎年留学生たちの日本語の上達には目を見張るものがあります。これまで11か月の日本滞在中に漢字を約1,000字覚えた生徒(これは日本の小学校の6年間で学ぶ漢字の数とほぼ同じです)、日本で覚えた日本語と漢字を生かして大学で中国語をマスターした生徒、大学のときにも交換留学生として再来日し、卒業後は日本の大都市の公的機関で働いている生徒などがいましたが、彼らはいずれも来日したとき日本語がまったくできませんでした。これは桃山の生徒と一緒に授業を受けたりクラブ活動に参加したりする学校生活、ホストファミリーや友人とともに過ごす日本人との交流、それに日本語の学習の三者がうまく作用している結果と言えましょう。

英語とは言語体系がまったく異なる日本語を勉強することには苦痛が伴うこともあるでしょう。私自身が子どものときに海外で生活したこともあり、自国とは異なった文化の中で楽しい経験だけでなく嫌な経験をすることも彼らの人生に少なからぬ影響を与えることは、想像に難くありません。それでも何よりうれしいのは、留学生が「アメリカへ帰ってからも日本語の学習を続ける」と言ってくれるときで、それは日本語教師でいてよかったと思えるときでもあります。

日本語の学習によって得られるのは言語能力だけでなく、日本の文化や人々についてのより深い理解で、それこそが留学生活で身につくもっとも価値あるものです。このダイナミックな経験を10代でできるのは素晴らしいことです。多くの留学生と日本語の授業を通じてその素晴らしさを分かち合えるのを楽しみにしています。


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