【なぜフィリピンのレイテ島なのか】
フィリピン中部に位置するレイテ島は、太平洋戦争の激戦地として日本でもよく知られています。2013年11月にフィリピンを直撃した台風30号(=ハイヤン)により、このレイテ島では死者約6、000人、負傷者約18、000人、行方不明者約1、600人の被害がありました。また、それによって避難生活を強いられた家族も被災当時7万世帯以上と甚大な被害が報告されておりました。
その後もたて続けに大型台風がフィリピンを襲い、家屋や学校の校舎などの復旧を含めた地域の復興には、かなりの時間がかかっている状況でした。またこれらの台風により、直撃を免れたとはいえ2007年にSBSがフィリピンのルソン島バタンガス州に建設した第1校目の学校も屋根が破壊され、費用として急遽15万円を送金したりしていました。
ラブラドール地区は、フィリピンのビサヤ諸島にあるレイテ島(レイテ州)の北西部に位置するオルモック市内にあります。ラブラドール地区には、250世帯、約1500人が居住しています。地域住民は主に米やとうきびなどの農業や畜産業、自営業(商店)等で生計を維持しており、水道や電気の設備は整っていますが、実際に使用しているのは一部の家庭のみという状況です。
ラブラドール地区も、2年前にフィリピンを襲った超大型台風ハイヤンによって大きな被害を受け、オルモック市で公立小学校を建設する予算が確保できていませんでした。とくに地区内にあるバリオン小学校は、日本でいうところの幼稚園1学年と小学校6学年の合計7学年で、全校生徒が214人いたそうですが、5学年分しか教室が確保できず現在にまでいたったそうです。このバリオン小学校の教室増設工事事業を桃山学院中高SBSの第2校目建設計画と定め、SBSの生徒たちが約8年間にわたり、募金活動等で集めた資金約190万円の支援を決定しました。今回は認定NPO法人のフリー・ザ・チルドレン・ジャパン(FTCJ)と提携しながら、プロジェクトをすすめていきました。
【建設工事の様子】
2016年5月上旬にフィリピンで行われた全国統一選挙の関係で、選挙が終わるまでほとんど工事が着手できない状況でしたが、5月9日に選挙が終了し、建設に向けて本格的に工事再開となりました。そして2016年7月下旬についに校舎が完成し、8月9日に開設式を迎えました。
バリオン小学校の開設式典に出席するため、田中栄治校長の代理として首藤崇志(SBS担当教員)と岡田憲三(国際コース委員長)の2名の教員が派遣されました。
初日は、関西国際空港からフィリピンのマニラ経由でセブ島へ行き、そこで一泊しました。翌日早朝にフェリーでオルモック市へ行き、リチャード・ゴメス市長を表敬訪問し、市長から感謝の言葉もいただきました。
【バリオン小学校の開校式の様子】
SBSでは、バリオン小学校の生徒に対し、家で使わなくなった鉛筆も寄付しようということで寄付を募りました。桃山学院中高の全生徒だけでなく、保護者の方々にもご協力を依頼させていただいた結果、目標としていた500本を大きく上回る5173本もの鉛筆を集めることができました。今回は一度に全ての鉛筆を持っていけませんでしたので、1500本のみバリオン小学校にお渡ししてきました。1本の鉛筆を2・3人で交互にまわして使っている状況でしたので、バリオン小学校の子どもたちは大喜びでした。
Leyte Island, which is located in the middle of the Philippines, was struck by typhoon No. 30 in November 2013, and about 6000 people died, 18000 were injured and 1600 are still missing. Especially the Labrador district in Ormoc city in Leyte Island has suffered from the typhoon and due to this Balion elementary school has been short of classrooms.
We heard of the news from an NPO corporation called Free the Children Japan and decided to contribute to that area by sending money together with FTCJ, which our students had raised for 8 years.
The construction was completed at the end of July and two of the teachers at Momoyama Gakuin High School were invited to the opening ceremony.
At the ceremony not just 260 pupils and teachers but also their parents, villagers and staffs working for the education department welcomed us.
We also offered the pupils pencils, which were donated by the students at Momoyama Gakuin. We expected around 500 pencils to be collected, but more than 5000 were offered voluntarily and we took some of them to the school when we visited.